使徒の定理






アダム、リリス、使徒の関係を背理法的に解く


1-「使徒はアダムから生まれてアダムに帰る。人はリリスから生まれた。」場合

 第25話のミサト「他の使徒が目覚める前にアダムを胎児に戻すことによって被害を…」の台詞から、使徒とアダムの接触には意味がある。

よって、使徒はリリスに帰るものではない。

ところが、同話のミサトの次の台詞が問題になる。

「人間もね…リリスと呼ばれる生命体の源から生まれた18番目の使徒なのよ」

「(使徒について)人なのよ」「人の形を捨てた人類の…」

つまり、ここでは、人を使徒と呼び、使徒を人と呼んでいるのである。

人=使徒という新たな方程式が提示されている。

さらに、第26話のリリスの覚醒シーンでのシゲルの台詞「パターン青」「いや、ちがう人です」

つまり、この一連の台詞から使徒と人は、「(太古の昔から生命体の源をキーワードとして)何らかの関連性のある生命体どうしである」と言えるのである。

もしも、アダムから生まれた使徒がアダムに還り、リリスから生まれたリリンがリリンに還るのであれば生命の実系の生命体と知恵の実系の生命体とは、全く別の生命体ということになってしまい、これならば使徒とは、宇宙人でも化け物でも何でもよいことになるのだ。

そして、もしもそうであるならば、使徒は間違っても「人」とか「人類」とかは言われないだろう。

また、「人が18番目の使徒だ」などということも言われないだろう。

使徒=人、人=使徒という方程式が提示された以上、使徒と人とは何らかの生命システム上の関連があると言わざるを得ないのだ。

また、リリス系とアダム系が全く違うものであるならば、初号機がゼルエルの腕を融合した場合、はたしてくっつくかどうかさえ疑問である。

このシーンは使徒とリリス系(初号機)が同じものであることを意味しているのだろう。

「使徒はアダムから生まれてアダムに帰る。人はリリスから生まれた。」という論理は、一見整合性があるように思えて、実は、エヴァのストーリーそのものが破たんしてしまうのだ。

また、リリスから生まれた我々リリンがリリスに還らなければならないのであれば、使徒なんかと闘わずにとっとと人間とリリスがロンギヌスの槍を使って融合すればよいのである。

しかし、そのようなこと(人とリリスの融合)を臭わせるストーリー展開も台詞も無い。

また、カヲルはリリスを前にして融合をしなかった。

このことから、あくまでも、使徒の融合対象はアダムであるといえる。

この後の第25話のミサトの台詞からも「他の使徒が目覚める前にアダムを胎児にまで…」からも、使徒に依る補完のためにはアダムが必要であったと考えられる。



2-「使徒はアダムから生まれてリリスに帰る。人はリリスから生まれた。」場合

 第25話のミサト「他の使徒が目覚める前にアダムを胎児に戻すことによって被害を…」の台詞から、使徒とアダムの接触には意味がある。

よって、使徒はリリスに帰るものではない。

また、使徒がアダムから生まれてリリスに帰るものであるならば、タブリスは、地下の巨人(リリス)を目の前にして何故融合しなかったのか?という矛盾も起きる。



3-「使徒はリリスから生まれてアダムに帰る。人はリリスから生まれた。」場合

 実は、これが最も矛盾の無い論理なのである。

また、同25話のミサトの台詞「人の形を捨てた悲しい存在」であるならば、使徒は本来は、人の形をしているといえる。

そして、ロンギヌスの槍(=愛)を刺されると、リリスの下半身からは人型の卵のようなものが生まれてくるのだ。

あれこそ、使徒の卵ではなかろうか。

ところが、リリスのいた場所は子宮に酷似している。

しかも、卵巣から生まれる卵子は、まさにあのリリスから落ちる卵のように落ちて来るのだ。

ただし、卵子の場合には、リリスのように無数の卵ではなく、月に一つだけである。

アダムのいた南極にも同じようなターミナルドグマがあったらしい。

以上のことから、カヲルはリリスをアダムと勘違いしたものと思われる。



4-「使徒はリリスから生まれてリリスに帰る。人はリリスから生まれた。」場合

上の2と同じ理由により否定される。

しかも、この場合はアダムの存在理由が無になってしまう。



結論

使徒はリリスから生まれてアダムに帰る。人はリリスから生まれた。

人と使徒の両者ともリリスから生まれた可能性(=精子)である。

カヲルの勘違いもまた、「自己がアダムではなくリリスから生まれたものであった」ということになる。



人(10)の形を捨てるということ(その2)

 本来11(=神)であるアダムは、人の形(=10=知恵の実)を捨てることによって生命の実を守る青いケルビム(01)になった。

リリスの下半身から生えるリリスの卵も人の形をしている。

これが、使徒の卵であるならば、使徒は本来は人の形のしていたと言える。

生む場合には、全ての場合において機能の逆転は起こらないので、本来のリリス(11)から生まれる使徒も、本来は11である。

つまり、アダムの場合と同じように、

本来の使徒(11)−人の形(10)=現在の使徒(01)

となる。

おもしろいのは、人の形をしている生命体の源に槍を刺すと人の形ではなくなるという逆転した現象である。



人の形の隠喩

 人の形にも隠喩があり、

人の形(=10=知恵の実)=人形

である。

人形とは、生まれたものではなく、人によって造られたものである。

いわば、生命体のコピーである。

人の造りしエヴァも人形と呼ばれる。

人間も神が造った人形である。

すなわち、

エヴァ=人=10=人の形=人形=コピーされたもの

となり、ここでも人(リリン)がリリスのコピーであることを物語っている。



それでも納得しない人のために

 それでも、使徒はアダムから生まれたと思っている人のために。

次の重要な概念をことを思い出してもらいたい。

「使徒に勝つためには、使徒と同じ力を持つエヴァしかない」

というくだりである。

エヴァは、弐号機と量産機以外はリリスのクローンである。

もちろん、初号機もそうである。

初号機がリリスの分身であるなら、初号機と同じ力を持つ使徒もまたリリス系である。

同じリリス系であるが故に力が匹敵しているのだ。

 「使徒に勝つためには、使徒と同じ力を持つエヴァしかない」は、エヴァの前半部分で明らかにされている。

この時点では、初号機=アダム(またはアダムのクローン)という説が根強かった。

故に、同じ力を持つアダム系の使徒という概念が出来上がっていたように思う。

しかし、物語も終わりに近付いた第25話では「リリスの分身たる初号機」という真実が明かされた。

 であるならば、使徒=アダム系という論理もまた逆転して、使徒=リリス系にならなければならない。

「使徒に勝つためには、使徒と同じ力を持つエヴァしかない」と「リリスの分身たる初号機」が明かされる話があまりにも離れているために混乱を起こしているのだ。

 では、アダム系の弐号機では使徒に勝てないのか?

以下にエヴァの戦歴を表にしてみた。参戦したエヴァと、太字はとどめを刺したエヴァの機体である。


第3使徒 サキエル 初号機

第4使徒 シャムシエル 初号機

第5使徒 ラミエル 零号機 初号機

第6使徒 ガギエル 弐号機(ただし、機体にはシンジとアスカが搭乗)

第7使徒 イスラフェル 初号機 弐号機

第8使徒 サンダルフォン 弐号機(ただし、最後は初号機に救われる)

第9使徒 マトリエル 零号機 初号機 弐号機

第10使徒 サハクィエル 零号機 初号機 弐号機

第11使徒 イロウル

第12使徒 レリエル 初号機 弐号機

第13使徒 バルディエル 零号機 初号機 弐号機(零号機、弐号機は破損)

第14使徒 ゼルエル 零号機 初号機 弐号機(零号機、弐号機大破)

第15使徒 アラエル 零号機 弐号機(弐号機回収)

第16使徒 アルミサエル 零号機 初号機(弐号機起動せず)

第17使徒 タブリス 初号機



 アスカファンには悪いが、このようにしてみていくと、弐号機が単独で勝利したのは、サンダルフォン戦とガギエル戦しかない。

しかも、ガギエルの時は機体内には、シンジがおり共同で操縦している。

サンダルフォン戦でも最終的には初号機が弐号機を救い出している。

リリス系の零号機は、アラエル戦とアルミサエル戦で単独勝利している。(自爆してしまったが)

 つまり、やはりリリス系のエヴァの方が使徒に勝つ率は多きいのである。

やはり、これは「リリス系の使徒とに勝つには、同じ力を持つリリス系のエヴァでなければならない」ということを表してるように思う。

 ただし、一体だけアダムから生まれた使徒(卵子)がいる。

これについては、次の項を参照。



何故、カヲルが同性愛者的に描かれているのか

 使徒がリリスから生まれた精子であり、リリスが精巣であるとすると、精子であるカヲルは、ついにターミナルドグマまで侵入したが、これは(まんまとはめられて)子宮ではなく、精巣の中に行ってしまったことになる。

精子が精巣にはいる。

つまり、ホモセクシャルを意味する。

故に、カヲルには、同性愛者的なキャラクターが与えられていたのだ。



おまけ(使徒がリリスから生まれた根拠を出藍の誉れのことわざで解く)

 有名なことわざに「青は藍より出て、しかももとの藍よりも青し」というのがある。これを出藍の誉れという。

これを、

青=01

藍=愛=10

に置き換えて

「01は10より生まれて、しかももとの10よりも01し」

と読み替えると、「使徒は第2使徒から生まれたが01である」となる。

かなり前からこれについて考えてきたが、やはり、意味があった。

これについては、次の論考を参照。



おまけ(その2)

 実は、「群体である人類(リリン)が精子で、一人づつ現れる使徒が卵子ではないか」とも考えてみた。

リリンが精子(10)で精巣であるリリスから生まれ、使徒(01)が卵子でアダムから生まれたとすれば、一見つじつまが合うように見える。

 しかし、これだと、人と使徒が融合すべきものになってしまうのだ。

それに、使徒と人が仮に融合できたとしても11(神)にはなれないのだ。

知恵の実と生命の実の融合は、01+10=00となり、お互いが消えてしまうからである。

 よって、この「群体である人類(リリン)が精子で、一人づつ現れる使徒が卵子ではないか」という論理もおかしいことになる。




 

 

 

家庭教師 やってます。

美術教材総本舗
工芸・陶芸・画材・造形素材・工作キット・工具・電動工具・素材などの販売サイト。

オモイデ本舗
お客様から送っていただいた画像・マーク・文字から、オリジナルの記念品をお作りします。

自力塾
月々1,000円からの中学生通信教育。
決まった時間にPDF書類で配信します。
家庭教師
杉並区・世田谷区・練馬区・板橋区・中野区・武蔵野市・三鷹市・西東京市の家庭教師。

エヴァンゲリオンのカクシン
テレビ版から夏エヴァまでのエヴァンゲリオンについての解読論考です。
Adam-Kadmon著作集
邪馬台国東京説・記紀鎮魂書説の「さなな日本書紀」、「日本の方程式」など。
Mido-Kei作品集


 ここは、y-honpo株式会社が運営しているサイトです。

167−0041 東京都杉並区善福寺2−11−3 TEL:03−5382−1181 FAX:03−5382−1181