ガフの部屋2

 補完=結婚というのは、単に寓意とか隠喩だと思っていた。

ところが、これは、非常に重要なエヴァ解読の手がかりであることが判明した。

「ガフの部屋」は、そのための通過儀式にすぎなかったのだ。

 では何故、エヴァにおいては、補完=結婚なのか?

これより、再び解読論考へとリバースすることにする。

もし、あなたが、この項から最後の「ストーリーの構造」までを読まれたら、そのときはエヴァの全ストーリー構成が解けるだろう。

 エヴァは、わけのわからない話でもなく、解けない話でもなく、もちろん、ライブ感覚で造られたストーリーではない。

恐ろしいくらい綿密に設定され、仕組まれたストーリーだった。



補完=結婚についてのおさらい

●結婚とは、お互いの心の内側がわかるかわりに、お互いの嫌な部分も認めなければならない世界であり、これは、補完状態と酷似している。

「あんたが私をオカズにしていることぐらい…」etc,

●人類最初の夫婦であるアダムとリリスは、希望であった。

●目の前に望んだ人が現れて、人々は、補完(結婚)されていくが、エヴァにおいて、恋人のいる人物は補完されていないが、独り者は全員が幸せそうに補完された。

●結婚とは、結び婚う(まぐあう)ことであり、

ユイ(結)の魂がリリスに納まる=結納

シンジが母ユイ(結)のクローンと婚う(まぐあう)=結婚

となる。



この他にも…

●補完(全生命のリセット)=結婚=過去の傷痕(恋愛における恨みつらみ、後悔等のマイナス面)を帳消しにして人生のリセットをする

●帳消しにするとはいえ、結婚によって新たなる喜びと悲しみが始まる。

キール:「すべてを無に帰すわけではない」

●キール:「これは、通過儀式なのだ」

結婚がそのまま幸せに結びつくわけではないが、人生の通過儀礼と捕らえることもできる。

このリセット(補完=結婚=通過儀礼)によって新しい人生が始まり、新たなる喜びや苦しみもまた始まる。

つまり、新たなる他人の恐怖が再び始まる。

女性にとって恋愛は夢で結婚は現実であり、

男性にとっては、両方とも通過儀式なのかもしれない。

●補完には、愛を表すロンギヌスの槍が必要であったが、結婚にも愛が必要である。

ロンギヌスの槍は愛(=eye=目)を与える。

しかし、愛のコピーである青いロンギヌスの槍のコピーでは、補完することはできない。

それは、愛(=eye=目)を奪うものだからだ。

つまり、偽物の愛(=代理の異性)によって補完(=結婚)はできないという構図が見て取れる。

●シンジの手につけられた聖痕(=成婚の印=成婚のための約束)

シンジは、神児であり神事である。

この儀式(神事)の為にシンジ(神児)は、ミサト(ミサを行う人)によって十字架にかけられに行くのだ。

この道は十字架の形をした入り口であるルート20であり、ミサトもまた十字架をつけている。

●第25話では、血痕のシーンがやたらと多い。

血痕=結婚(このときの血痕は、結婚の前祝いと言う意味か?)

●第26話の最後に、リリスから吹き出た血の痕が大空にかかっている。

血痕=結婚(このときの血痕は、結婚した二人を皮肉にも祝福しているのか?)



さて、では何故エヴァの最終話では補完(=結婚)が描かれるのか?

これは単に、「シンジとアスカが新世紀のアダムとエヴァになったから」だとか、「補完されておめでとう」とかいうものではない。

また、寓意として結婚が描かれているわけでもない。

社会風刺として結婚が隠喩されているわけでもない。


まず、最初に言っておけなければならないことは、「ここで言うところの結婚は、家族をつくるということと同義ではない」ということだ。

家族という人間がつくり出したシステム(時代や地域のよってもその形はまちまちだが)ではなく、あくまでも獣として結び婚うという古来からの意味である。

平たく言うと、「種を保存するために伴侶を見つけてSEXすること」と言い換えてもよい。

生物学的な言い方をするならば、「地球上に存在している全ての生物の定義とは、代謝を行うことと自己複製をつくることに集約できるが、種を保存するために、カタストロフに強い遺伝子を残すためにあみ出されたシステム」である。

また、テレビ等での動物の出産シーンを見ているとき、子どもの「どうして赤ちゃんができたの」という問いに親が「結婚したからよ」と答えるときの結婚という意味でもある。


性と生殖というシステムは、地球上に起こったカタストロフによる種の大量絶滅から守るために出てきたシステムであるという。(NHKスペシャル「生命」)

※「カタストロフ」とか「滅びのときを免れて生き残る生命体」とか考えると、エヴァとの関連性がありそうである。

確かに、人々の暮らしが豊かになった国では既婚率も出生率も下がる。

※カタストロフから種を守るために精子は、よりたくさんの卵子と交わろうとし、また、より遺伝子の遠い卵子と交わるために尻尾があり動きまわれるのだと言う。

逆に、卵子は遺伝子を守るために大きく強固なつくりになっている。そして、その外壁を破れるより性能のよい精子しか受け入れない構造になっている。

ロシアのことわざに「男は量を好み、女は質を選ぶ」というのがあるそうだ。

男は、女と交わった数を自慢したがるし、女は(3高など)男の質で相手を選ぶ。

これは、精子と卵子の特質がそのまま表れている。


話がだいぶそれたので、元に戻そう。

…さて、結婚(=生殖=SEX)の際には、雄からは大量の様々な可能性である精子が放出される。

それが卵子との融合をめざして泳いでいく。

最初に卵子に到達した精子が卵子との融合をはじめたとたんに他の精子は死んでしまう。

滅びのときを免れて生き残れる生命体は一つしかないのだ。

男の闘いは、この時点ですでに始まっているとも言える。

精子と融合した卵子は一つの生命体となって細胞分裂が開始される。

最初は単細胞であったものが二つに、次いで四つに、八つにと細胞は増えていく。

※生命の歴史上多細胞生物もまた地球に起こったカタストロフが引き金になったらしい。

やがて受精卵は、環状の形態になり中心部が腸の役目を果たすものに変化する。これは、生物学的にはなまこやひるなどの腔腸動物と同じである。

これ以降、受精卵は、生物の進化と同じ発達過程を取りながら成長していく。

腔腸動物は、腔腸動物の形態になった段階で生まれてくるし、魚類は魚類の段階で、は虫類はは虫類の段階で生まれてくる。

受精卵の発達(人間の場合は退治の発達と言い換えてもよい)は、実は、進化の歴史の再現に他ならないのである(生物で習ったかも知れないが)。


●ウイルス=DNA

●原核生物

●真核生物=精子と卵子

●単細胞生物=受精卵

●多細胞生物

●生物の進化=進化と同じ過程をとる受精卵の発達



では、エヴァにおいて逆は真か?

受精卵から胎児の発達が生命の進化の過程と同じであるならば、逆はどうか?

もちろんこれは、エヴァというストーリー上に限っての話であるが。

地球上の生命の進化の歴史そのものが実は、胎児の発達であったとは考えられないか。

では、胎児の発達と同じである生命の進化の起こる前に起こった事件とは何か?

当然それは、太古の昔にあった精子と卵子の融合である。

それは、精子(可能性)が一つしか選ばれないというカタストロフを意味する。

現地球上の生命体は、そのときのある一つの精子の可能性により進化したものと考えることができる。

では、精子と卵子の融合の前にあるものとは何か?

様々な可能性である精子の放出である。

これが使徒を意味する。

このときの事件は、神話や聖書外典に書かれている天使の争いともリンクする。

使徒(=天使=様々な可能性=精子)どうしの闘いである。

そして、勝利した精子には福音(=evangel=勝利の知らせ)がもたらされる。

では、その生命体の源ともいえる両親はだれか?

生命体の源であるアダムとリリスである。


●両親(アダムとリリス)の結婚(=SEX=補完)

●射精=使徒(天使)の闘い=男の闘い

●受精=カタストロフ=インパクト

●受精卵の発達=生命の進化(現在に到る)



2000年

アダムが再び覚醒した。

使徒(精子)が放出された。(アダムから?リリスから?)


2015年

●再び使徒が表れた(天使の闘い=男の闘いが始まった。)。

●人類は、再び生命体の源のコピーであるエヴァを造って使徒を殲滅した。

●依代となった初号機がリリスに入っていった=精子と卵子の融合=カタストロフ=サードインパクト

●この直前、他の可能性であるタブリスの肉体とアダムの魂を持つ量産機は自殺しているが、これはまさしく、卵子と融合直後の融合できなかった他の精子の死を表しているようである。

そして、量産機はロンギヌスの槍で自殺する。

ロンギヌスの槍は、福音(=evangel=勝利)をもたらすものである。

●この後、もう一つの使徒であるリリスも崩壊する。

●新世紀のアダムであるシンジがリリス(レイ)と融合した=受精=結婚

●しかし、アダム(シンジ)は再びエヴァ(アスカ)を選んだ。

●この結婚から新世紀は始まる。


キリストは、罪深い人類の身替わりとして十字架にかけられた。

このとき彼をついた槍はロンギヌスの槍と呼ばれ、ロンギヌスの槍による十字架上の死と再生によてもたらされるものを福音という。

量産機もまた自らロンギヌスの槍で自殺をし、十字架にかけられた。

罪深い人類の身替わりとしてか。シンジへ福音(勝利)をもたらすためか。十字架上で死と再生の儀式をおこなうためか?



羊水のようなLCL。それは生命のスープでもある。

そこに胎児のように浸るパイロットたち。

へその緒を意味するアンビリカルケーブル。

アノマノカリスのようなサンダルフォン。

最初の人間アダム。

卵巣のようなリリスと子宮のようなターミナルドグマ。

エヴァのストーリーの構造は、生命の進化と胎児の発達をリンクさせ、その先に聖書外典の神話を合体させるところから始まっているのだろう。

そして、その出典となっているものは、おそらくNHKスペシャル「生命」であろうと思われる。

実は、正月にマンガ版の「生命」を読んでみたが、実に多くの共通性が発見された。

この番組は、放送された時期から見てもエヴァ放映のの2〜3年前であったと思う。

NHKスペシャル「生命」とエヴァの共通性については、近々「ガフの部屋3」で発表したいと思う。



尚、使徒がアダムとリリスのどちらから生まれたものかは、未だ再考慮中なので、今回は、深い考察までは、あえて書かずにいた。




 

 

 

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