ストーリーの構造






逆転と対比の構図再び

 「アダムの卵」の項でも述べたように、

●第壱話の前にあったものは、セカンドインパクトである。(アダムの覚醒と卵子の放出)

●第壱話〜第弐話では、アダムの卵子であるサキエルが殲滅される。

●第25話では、アダムのコピーである弐号機が殲滅される。

●第26話は、サードインパクトである。(リリスの覚醒と受精が描かれる)

これも、逆転した鏡の構造になっている。



 これを、前述(構造編)の第壱話とREBIRTH編との逆転と合成してみると、ほとんどの項目が次の話と対を成しているか、または、最初と最後が対を成しているかの構造になっている。

いわゆるDEATH編である第弐拾四話までは、主に次の話との対比構造が多く、REBIRTH編である第25話以降は第壱話〜第弐話の逆転した(リバースした)構図になっている。

エヴァは、わかりにくいストーリーではなく、整然と仕組まれたストーリーになっていたのだ。

※各記号の同じものどうしが対比している項目である。



<第壱話の前>

リリスによる射精(使徒の卵放出=母アダムを求める子の出現)

◯セカンドインパクト(母アダムの覚醒と卵子サキエルの放出)→■母アダムの消失

■ゲンドウの結婚→シンジの出生→母ユイの消失

■チルドレンたちの出生→母親達の消失(母を求める子の出現)

※すなわち、ここでは、使徒もチルドレンも母の消失と母を求める子の出現が提示されている。



<第壱話>

◇アダムの卵子であるサキエルがリリス(父)のいる第3新東京市にやって来る。

◇新世紀のアダムとなるシンジも父に呼ばれて第3新東京市へやって来る。

※いずれも、父の元へやってきた子供どうしの闘いが描かれる。

◎シンジ「やっぱり来なけりゃ良かった」

◎シンジはレイの幻を見る。

◎次に、鳥のさえずりに気を取られ、再び少女のいた方向を見ると、そこには誰もいない。

◎ミサトに会う

◎包帯の少女(右目に眼帯、左腕に包帯)

◎第壱話のケイジ内でのシンジを助ける初号機の右手

◎いやいやながらも初号機に乗る



<第弐話>

●アダムの卵子であるサキエルが新世紀のアダムであるシンジの手によって殲滅される。(アダムの卵子殲滅)

*サキエルは、他の使徒と違い自爆の道を選ぶ。初号機は健在。



<第参話>

リリスの精子である使徒がサキエルの後を追って来る。(リリスの精子襲来開始)



<第八話>

アダムのコピーの登場(Sample A-01と弐号機)

知恵の実(ロンギヌスの槍)のコピーと生命の実のコピーの史実との逆転の提示



<第12使徒レリエル ディラックの海の提示>

◆四号機の事故 01+10=00というディラックの海の提示



<第拾九話>

◆第14使徒ゼルエル 01+10=11=神の提示



<第弐拾弐話>

◆第15使徒アラエル 01+10=00/ロンギヌスの槍は死を与えるという提示

△アスカへの精神攻撃



<第弐拾参話>

第16使徒アルミサエル(レイへの融合によるアダムの所在の提示)

△レイへの精神攻撃

▲使徒の融合失敗

□母のクローンの自爆

*レイは自爆の道を選ぶ。初号機は健在。



<第弐拾四話>

第17使徒タブリス 地下の巨人=リリスの提示(父と母の逆転)

▲使徒の融合成功

▽弐号機=アダムの分身の提示

▼最終使徒の殲滅=精子(使徒)全滅=受精前に殲滅

□父のクローンの登場と殲滅(神の右手による殲滅)

*カヲルは、他の使徒と違い自殺の道を選ぶ。初号機は健在。



<第25話>

▼シンジの自慰=精子が受精する前に殲滅

▽初号機=リリスの分身の提示

タブリスのコピーの登場

●アダムのコピーであるエヴァ弐号機が殲滅される。(福音の終わり=「終わる世界」)

◎ミサトとの別れ

◎ケイジでのシンジ「やっぱり来なけりゃ良かった」

◎第25話でのケイジ内でのシンジに差し伸べられる初号機の右手

◎いやいやながらも初号機に乗る。



<第26話>

レイの意志によるアダムの還元(かえる)

ロンギヌスの槍の地球返還(「世界の中心でアイを叫んだ獣」)(かえる)

初号機による補完。初号機の生命の木への還元(かえる)

ジオフロントの黒い月=ガフの部屋への返還(かえる)

レイのリリスへの返還(かえる)

リリスの覚醒=羽根を広げる=受精と孵化=孵る=かえる=REBIRTH=新生

◯サードインパクト発生=人々は、エデンへとかえる

リリスと初号機による受精=十字架上の死と新生の儀式=新たなる福音

□父の殲滅(悪魔の左手による殲滅)

母との別れ

シンジとアスカの返還(かえる)

◎シンジはレイの幻を見る。

◎横にはアスカ(飛鳥)が横たわっている。

◎再び少女のいた方向を見ると、そこには誰もいない。

◎包帯の少女(左目に眼帯、右腕に包帯)



 そして、物語は幕を閉じた。



 こうして見てみると、最初の使者(死者)サキエルと最後の使者(死者)タブリスは、いずれも自殺している。

サキエルは、唯一のアダムの卵子であり、タブリスは最後の一体のリリスの卵子である。

ここでも、最初と最後は、同じところにあった。

 また、ユイのクローンであるレイも自殺し、ゲンドウのクローンであるカヲルも自殺する。

これは、連続する話になっている。



エヴァとは、いかなる話なのか

母親の胎内に胎児がいる。または、卵の中に胎児がいる。

これは人である。

愛ある結婚によって受精し、成長(進化)してきた胎児であったが、どうしても出産(=卵から孵る)することができなかった。

彼には、愛はあったが生命力には乏しかったからだ。

そのうちに母親は、愛の無い浮気をしてしまう。

そうなると、やがて自分達のいる平和な胎内に新たな愛の無い精子(使徒)がやってくることになる。

これでは、胎児の存亡にかかわって来る。

つまり、いらない子供になってしまう。

そこで胎児は知恵を絞り、あらかじめ、自らの手で卵巣(アダム)から卵子を産卵させて受精したように見せかける。

そうすると、卵巣は、再び卵子を産卵しなくなる。

これが、セカンドインパクトである。このとき、母親は求愛のポーズをとり、羽根を広げた。

これによって、卵巣側の子宮(南極にあったドグマ)も消してしまう。

卵子は、精子を求めて精巣側のドグマ(第3新東京市)を目指してやって来る。

これが、サキエルである。

しかも、その卵子を最初に殺してしまい、新しい精子がやってきても受精できないようにした。

次に、卵子の後を追うように、新たなる愛を持たない精子達(使徒)が次々と胎内に侵入してきた。

彼等は、子宮(ターミナルドグマ)を目指す。

しかし、そのターミナルは、精巣側の物であり、卵子に似せた精子のコピー(エヴァ)によって次々と精子達は殲滅させられた。

最後の精子(カヲル)は、ついに精巣までやってきた、精子が精巣に融合しようとしたが、一瞬彼はその間違いに気が付いた。(彼は同性愛者のように描かれている)

さて、いよいよ、胎児が出産できる日がやってきた。

彼等が完全な生命体として卵から孵るためには、不完全であった精巣(リリス)を完全な形に戻し、一度そこへ戻って再び生まれるというやりなおしの形式(死と新生の儀式)をとらねばならなかった。

しかし、悪魔(ゲンドウ)の手によって愛(ロンギヌスの槍)が失われた今、精巣(リリス)を使用することができなくなっていた。

そこで、完全な精巣のようになった精巣のコピー(初号機)を使用し、偽物の愛によってこれを行おうとした。

ところが、この精巣のコピーは本物の愛を呼び戻した。

本物の精巣も本来の姿へと戻り、かえった=帰った=孵った=羽根を広げた。(黒い卵は割れて胎児である人は帰った=孵った)

胎児は、さなぎの状態(生命のスープ=原初の海)へと還っていった。

精巣のコピーは、本物の精巣の中へと入っていった。

本来の精巣は崩壊し、精巣のコピーが取って替わった。(初号機の12枚の羽根)

死と新生の儀式は終了した。

そして…

羊水の中から、雄と雌の2匹の獣が生まれた。(かえった)



登場人物とのリンク

 この構造は、エヴァにおける登場人物の人間関係ともそのままリンクしている。

つまり、親ゲンドウの不倫、いらない子シンジ、新たな子供レイである。



蝉の声

 蝉の幼虫は、永い年月地下の中で生活している。

蝉がさなぎから成虫となって羽根を広げるとき、それは夏である。

春は、花が咲き花粉が舞う。

春は、恋愛、求婚、結婚、受精の季節である。

 アダムもリリスも永い年月の間地下の中にあった。

アダムが愛を求めて羽根を広げてからは、ずっと夏になった。

 我々人類が再びさなぎの状態を経て成虫として再生するのは、夏でなければならなかったのだ。

 エヴァのバックでずっと鳴いていた蝉は、このことを意味していたのだろう。



補完について

 孵れない人類は、結局人の手を借りなければ出産できない。

人間だけは、動物のように簡単に子供を生むことができず、産婆さんや産婦人科のお世話にならなければならない。

第3新東京市の後にできた湖から出ている電信柱の広告(産婦人科、性病科)は、今から思えばこのことの隠喩になっていたのだ。



最後に深い(=不快=気持ち悪い)論考を

 我々知恵の実を持つ者は、知恵によってエヴァを解かねばならぬ。

すなわち、知恵の実(=ロンギヌスの槍)でエヴァ(=福音)を解く(=溶く=説く)

つまり、

10(とお)で、とうとう解(融く)くために、

構造(コウゾウ)、言動(ゲンドウ)、補色(補食)で解いて、

みんな解ければ(=融ければ=溶ければ=説ければ)気持ちが良いが、

さらに深い(不快)考察(絞殺)をして、

みんな解けなきゃ(=融けなきゃ=溶けなきゃ=説けなきゃ)

気持ち悪い。





おあとがよろしいようで。

(お囃子に続いて幕−THE END OF EVANGELIONのように)



制作者の方々へ一言

よくもまー、こんな話を考え付いたもんだ!




 

 

 

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