渚カヲルとアダムと量産機














では、カヲルは、誰のクローンか?


<カヲル=赤城ナオコのクローンと考えた場合>

ゲンドウと肉体関係を持ち、三角関係にある二人の女性のクローンには、それぞれナミとナギという男女二つのペアのクローンが存在することになる。

しかし、ナオコは、自分のクローンであるカヲルのことは知っていたが、ユイのクローンであるレイが存在することは知らなかった。

しかも、自分のクローンには、魂が宿らなかったのに、敵対するユイのクローンには魂が宿ってしまった。

そして、ユイのクローンは碇指令の言葉として、ナオコに言った「バアさんは、もう用済み」だと。

ナオコは、クローンの特長を知っていたし、レイがクローンであることも知っていた(つまり、スペアが何体もいることを知っていた)。だから殺せたのではないか。(普通は、愛人の知りあいの子から、自分は用済みだと言われたからといって、その子を殺したりはしない)

そして、この殺害される初代レイの瞳には、カヲルの顔が映る。

第弐拾壱話のナオコが初代レイの首を絞めるシーンで、ナオコは、

「あんたなんか殺したって、替りはいくらでもいるのよ」

と、言っている。

つまり、この台詞は、ナオコがすでにレイはユイのクローンであり、ダミーシステムのためにつくられたことを知っていたととれる。

また、「替りはいくらでもいるのよ」は、ユイのクローンであるレイでなくても、「私のクローンであるカヲルもいるのよ」ともとれる。

リツコの言う「魂は、あの子にしか宿らなかったのよ。」は、「母のクローンであるカヲルには、宿らなかったのよ。」ともとれる。

 リツコが、レイのクローンたちを(母と同じ、因果はめぐる)殺すのも、リツコの心境としては、「母のクローンであるカヲルには魂が入らず、(愛人である)ゲンドウに採用されないのに、レイはかわいがられている。3代目も、また、魂が宿ってしまった。くやしい。だから殺す。」(つまり母親の初代レイ殺害理由と同じ)と考えるとつじつまがあう。

こう考えなければ、つじつまが合わない。単にユイ対ナオコ、リツコ親子の確執だけだとしたら、本来、リツコは、その憎しみをユイとゲンドウの子であるシンジにこそ向けるはずだから。

 さて、この最後のシ者が襲来したときに、リツコは、監禁されていた。しかし、彼女はミサトに「たぶん、それは、最後のシ者よ。」と言う。

つまり、彼女は彼の存在を知っていた。たぶん、彼女がゲンドウからゼーレに差し出されたときであろう。

このとき、彼女が裸にされたこと以外、リツコへのペナルティーはなされていないようだが、実は、リツコの母親のクローンと使徒を融合させてネルフに送り込むという刑が執行されたのではないだろうか。

それを知っているゲンドウは、あえてリツコをカヲルに接触させないように監禁状態にした。(ゲンドウのリツコへの思いやり?)

 しかし、この論理には、決定的な無理がある。

女性のクローンから男性のクローンが造れるのかということである。



ナオコが自殺する理由

 初代レイを殺したのが自殺の原因とは考えにくい。

何故なら、ナオコがレイを殺すとき「あんたなんかいなくたって、代わりはいくらでもいるのよ」と言うからである。

ナオコの自殺の原因は、もっと女性的な部分、ロジックではない部分である。

すなわち、「ばあさんは用済み」であり、ゲンドウに捨てられたことのショック、もしくは腹いせからであろう。

マギ内部には、赤城博士の手による「ゲンドウのバカヤロウ」という落書きがある。



<カヲル=碇ゲンドウのクローンと考えた場合>

ところが、ここに来て、カミーユ氏から重大なメールをいただいた。

内容は、以下の通り。

 又、石原さんはカヲル=赤木ナオコのクローン説を唱えていますが、私は朱雀さんと同じくカヲル=碇ゲンドウ説をとっています。理由は


1. カヲルの誕生日がセカンドインパクトと同一日であることから、ロンギヌスの槍に仕込まれた葛城調査隊の誰かの遺伝子をアダムに挿入した結果、生まれたと推測される。赤木ナオコは調査隊に加わっておらず、前日に帰国した碇ゲンドウのものである可能性がある。


2. 24話の風呂でのカヲルのセリフ「人は寂しさを...」は、15話の唯の墓での碇ゲンドウのセリフ(すいません、よく覚えていません)と対応している。


3. 24話のベッドでのシンジのセリフ「父さんは嫌いだった」とカヲルのセリフ「君に会うために生まれてきたのかもしれない」の逆の対応。


4. 24話のカヲルに対するシンジのセリフ「父さんと同じに僕をうらぎったんだ。」の相似を思わせる言葉(映像は、カヲル、シンジ、碇ゲンドウと流れる)。そして父親殺しのエンディング。


5. 映画26話、ゲンドウの足元にユイ及びクローンのレイが、そして頭側に自分のクローンのカヲルが現われたと見えること(レイがリリスのクローン、カヲルがアダムのクローンという対にも見える)。


などです。


 私もこの御意見を元に色々と考えてみたが、確かに、これの方がつじつまが合うのだ。

 カヲル=ナオコクローン説は、初代レイがナオコに殺されるときにレイの目にカヲルが映ることの説明にはなるが、最大の弱点は、「女性のクローンから男性が生まれるか?」(自分で突っ込んでる)

というだ。

 初号機が、カヲルを殺すときに首が落ちるが、初号機がゲンドウを喰い殺すときには首からかじっている。

ゲンドウを喰う初号機の手は、カヲルのときのそれとは逆に、左手でゲンドウを掴んでいる。

初号機のアングルも左右逆になっている。

つまり、ゲンドウとカヲルとが対比している。

 また、第26話の最後に、波の打ち寄せる渚でレイ(綾波)とカヲル(渚)が並んでいるのは、父と母ということか。

ここは、まさに、男と女、イザナギとイザナミ、凪と波、静と動なのだ。

ところで、日本神話でイザナギとイザナミが最初に産んだ子供は、手足の無いひるのような子供であったので「ひるこ」と名付け、川に流したと言われている。

「いらない子供だったから」だ。

 シンジもまた、自分をいらない子供だと言っている。

ユイは、イザナミと同じように黄泉の国へ行った。

ゲンドウは、イザナギと同じように妻に会いたいと切望した。

ゲンドウとユイは最初にエヴァを造ろうとして失敗しているが(エヴァの墓場)、イザナギとイザナミも最初は失敗している。

 やはり、「凪と波」は、そのまま「父と母」と同義になりそうだ。

となれば、やはり渚カヲルは父のクローンということかもしれない。


 シンジは、自分は父さんに捨てられたので、自分は父さんにとっては、いらない子供だと思っている。

だから、シンジは、「父さんはきらい」。

だが、はじめて自分を好きだと言ってくれたのは、父のクローンのカヲルだったとすると…

シンジが巨大カヲルでさえも心を開く理由がわかる。

シンジは、やたらと父に誉められたり好かれたりしたがっている。

この心を補完する(補う)のは、父のクローンであるカヲルだということか。

つまり、カヲルは、シンジの心の中にある「希望」だという意味も解ける。

 さらに、カヲルは「さあ、僕を消してくれ」とシンジに言い、

ゲンドウは「すまなかったな、シンジ」と言って初号機に喰われる。

カヲルはシンジの為にゲンドウの身替わりになった存在ともとれる。


 ところで、古代の日本には、奇形や不愚者を尊ぶという風習があり、「ひるこ」は恵比須信仰と習合して ひるこ神=恵比須(エビス)となった。

シンジ(ひるこ)が住むことになった家の住人(ミサト)もまた、恵比須ビールを好んで飲む。


 ただし、このカヲル=ゲンドウのクローン説には、まだ解決すべき問題がある。

1)初代レイの殺害シーンの目に映るカヲルの顔の謎

2)量産機のコアに宿る魂は誰のものか



なぜ、初代レイが殺されるときに、目にカヲルの顔が映るのか

 これを普通に考えると、本来はそこにはナオコの顔が映らなくてはいけないので、

ナオコ=カヲル

つまり、カヲルはナオコのクローン

という図式が考えられる。

ところが、カヲル=ゲンドウのクローン説だと、レイの目にカヲルの顔が映る理由が見当たらない。

 しかし、理由はあったのだ。

エヴァにおける死際に現れる人物を抜き出すと…


●初代レイ→渚カヲル

●二代目レイ→碇ゲンドウ

●青葉シゲル→なし

●日向マコト→葛城ミサト

●冬月コウゾウ→碇ユイ

●伊吹マヤ→赤城リツコ

●碇ゲンドウ→碇ユイ


マコト、コウゾウ、マヤに関しては、リリス(レイ)の化身であると考えられるが、それぞれ自分の望んだ人物が現れて幸せな面持ちで補完されていっている。

※二代目レイは、やはりレイにとって大切な人物であるゲンドウが浮かんだ。(現れたのではない)

ゲンドウに関しては、初号機に宿るユイの魂そのものだろう。

アスカは死ななかったので、望む人物が現れていない。

ミサトの死ぬときには、やはりレイが現れた。(リョウジやペンペンではなく)

この、ミサトが死ぬシーンでの「これでよかったのよね、加持君」では、明らかに誰かを見て喋っている目をしている。

そして、そこにはレイが立っている。

これは、やはり、冬月やマコトの補完シーン同様、レイが加持の姿となってミサトの前にいたとしか思えない。

第壱話の冒頭に出現する包帯を巻いていないレイも、レイの霊であったと考えられる。

これらが、全てレイの霊によるものであるならば、補完される直前には、その人の最も望んだ世界もしくは望む人物が、レイ(=リリス)の力によって出現することになる。

生きているうちにはかなわなかった世界=望んだ世界=望むのにかなわない人=欠けた心

欠けた心が補われて死ぬから「補完」と言うのではないだろうか。

望む人物が現れて補完される。

補完の直前には、その人の望む(レイによって)人間が現れる。

君を望む=I NEED YOU

第26話の英文タイトルでもあるこの言葉は、マヤが補完される直前に、彼女が望んだリツコによってマヤのキーボードに入力された。

I NEED YOUという英文タイトルは、「補完の直前には、その人の望む(レイによって)人間が現れる」ということを意味している。

しかし、シンジは「誰でもいい」と思ったし、女性達から罵詈雑言を言われ、誰からも好きだとは言ってもらえなかった。

だから、シンジは補完されないともいえる。

 では、レイが死ぬときは、誰が現れるのか。

これが、もう一人の仕組まれた子供、渚カヲルではないだろうか。

初代レイが死ぬときにカヲルが現れ、二代目レイが死ぬときにゲンドウのイメージが浮かぶ。

カヲル=ゲンドウのクローンとすると、レイが死ぬときに現れた人物は、ほぼ同じということになる。



私が死んでも代わりはいるもの

この第弐拾参話のレイの台詞をそのままとれば、話の流れからいっても

「私が死んでも、LCLの中に私の魂が宿るべき体はたくさんある」

だから「私が死んでも、アダムを身籠る肉体はたくさんある」

ととれる。

しかし、もう少し踏み込んでみると

「私が死んでも、ダミーシステムの為に仕組まれたもう一体のクローン(=カヲル)がいるもの」

ともとれるのだ。

この「私が死んでも代わりはいるもの」という台詞は、アダムの保管という役目とダミーシステムの役目の両方を差しているものと考えられる。

そして、この次の第弐拾四話で渚カヲルは登場している。

第弐拾参話から第25話までは、


●涙を流すレイと涙の出ないシンジ

●「代わりはいるもの」

●3代目レイとレイのクローン(代わり)の登場

●もう一人のダミーシステムの為に仕組まれた子供(代わり)の登場

●DEATH編でのタブリス本体と思われる石像の登場

●カヲルのダミープラグとタブリスのクローンと思われる量産機の登場


と、いうようにストーリーが展開している。

現時刻をもって、カヲル=赤城ナオコクローン説を廃棄とします。

ただし、ナオコは、初代レイを殺すときに「あんたなんか殺したって、替りはいくらでもいるのよ」と言っているので、ナオコがすでにレイはユイのクローンであり、ダミーシステムのためにつくられたことを知っていたことだけはまちがいないようだ。



カヲル=アダムの魂の宿ったもの

初代レイが死ぬときにカヲルが現れる。

これは、

1)単にミサトの死体のそばに現れたレイのように、カヲルが出現しただけなのか?

2)日向マコト→葛城ミサト、冬月コウゾウ→碇ユイ、伊吹マヤ→赤城リツコと同じように、レイが望んだ人物がカヲルと考えるべきなのか?

1)の場合は、単にエヴァにおける死ぬ瞬間の説明と捉えることができる。

問題なのは、2)の場合である。

なぜ、レイ(=リリスの魂)は、カヲルを望んだのか?

これを、カミーユ氏からのメールでの御意見に沿って「カヲル=アダムの魂」説で考えてみた。

これは、大変興味深い説で、リリスの魂が抜けてクローンであるレイに宿っていたのと同様に、もう一つの生命の源であるアダムの魂も、もうひとつのクローンであり、ダミーシステムのために仕組まれた子供であるカヲルに宿っていたのではないかと考えられるからだ。

そうすると、

●カヲルが動かした弐号機は、アダムの肉体のクローンとアダムの魂の関係になる。

だから、自由にシンクロ率が設定できるとも考えられる。

これは、初号機(リリスの肉体のコピー)とレイ(リリスの魂)の関係と同じになる。

弐号機(アダムの肉体のコピー)とカヲル(アダムの魂)の関係になるからだ。

カヲルは、「魂の宿ってないものには融合できる」と言った。

零号機のコアにも、何も宿ってないのかもしれない。

何故なら、零号機もリリスのクローンであるとすると、

零号機(=リリスの肉体)+レイ(リリスの魂)

となり、シンクロする必要がないからだ。

●弐号機がアダムのコピーであるなら、弐号機はまさしく「アダムより創りしエヴァ」となり、

カヲル&弐号機=アダムの魂&エヴァ(=アダムの肉体のコピー)

になる。

●カヲル「アダムより生まれし者は、アダムへと還らねばならないのか」という台詞も生きてくる。

●第25話で、ついに本来のエヴァである弐号機は(アダム=カヲルによって)破れ、アダム(カヲル)はリリス(レイ)へと還っていくという構造も浮かび上がる。

最後に水面に立つレイとカヲルは、アダムとリリスということになる。

まさに、聖書外典の逆進行のストーリーである。

●さらに、以下の構造が成り立つ。


渚カヲル→ゲンドウ(父)のクローン+アダム(父)の魂

綾波レイ→ユイ(母)のクローン+リリス(母)の魂



 ところが、さらに突き詰めると、上の説には、解決すべき矛盾があるのだ。

第弐拾四話のカヲルがゲンドウのクローンにアダムの魂が宿ったものであれば、あの首のもげた石像は何なのか、ということになる。


●首をもがれたカヲルと首のもげた石像の一致

●石像の体と量産機の体の酷似

●量産機に挿入されるカヲルのダミーシステム


このことから、


●石像=タブリスの本体の姿

●第弐拾四話のカヲル=ゲンドウのクローン+タブリスの魂

●量産機=タブリスのコピー+カヲルのダミーシステム



でなければならない。



量産機と石像の酷似

首の落ちたカヲルと首のもげた石像

量産機に挿入されるカヲルのダミープラグ

しかも、

カヲルの登場シーンではすでに、彼は石像の首筋のところに座っており、この時点で「量産機に挿入されるカヲルのダミープラグ」は暗示されていたのだ。

 もし、ここで、「第弐拾四話のカヲルはゲンドウのクローンにアダムの魂が宿ったもの」だとすると、タブリスの魂はどこへ行ってしまったのかという疑問がおこる。

石像の頭がもげる理由もなくなる。

「第弐拾四話のカヲルはゲンドウのクローンにアダムの魂が宿ったもの」だとすると、これはユイのクローンにリリスの魂が宿るレイと同じようなもので、はたしてこれを第17使徒と呼べるかどうかも疑問である。

もし、このときのカヲルがレイと同じような生命体だったら、カヲルは死なないのだ。

レイは、零号機の自爆でも死ななかったのだから。

しかし、第17使徒のタブリスまでは殲滅されたのだ。

 また、タブリスの魂が量産機に宿っていると仮定しても、これでは、量産機には、カヲルのダミーシステムの必要がなくなる。

それに、タブリスのオリジナルは、9体もいたのか?という疑問もおこる。

また、リリスと(カヲルのダミーシステムを搭載した)量産機の融合によってリリスからカヲルが出現することからも、何らかの形で量産機にはカヲルの命が宿っていなければならない。

 第弐拾四話にやって来たのは、実は第1使徒アダムで、量産機が第17使徒としても、やはりおかしい。

第1使徒は光の巨人であり、4枚の羽根を持つ。

それに、量産機が第17使徒だとすると、量産機にはダミーシステムもいらなくなる。

また、やはり石像の頭のもげる理由もなくなる。

 よって、少なくとも、第弐拾四話にやって来たカヲルは、やはり「ゲンドウのクローンにタブリスの魂が宿ったもの」だろう。



3人のカヲル?

 では、前述のレイとカヲルそしてゲンドウとユイの関係の酷似をどう説明する。

また、アダムの魂はどこへ?(アダムの肉体はレイの子宮にあるとしても…)

 最も、つじつまの合う答えは、

第弐拾四話のカヲル意外に、アダムの魂の宿っている、本来のカヲルが存在していたのではないか?

というものだ。

レイがユイのクローンであり、クローンはコピーであるので何体でも複製が可能である。

LCLの中にいたレイのクローン達もしかり、エヴァしかり、タブリスコピーの量産機しかり、である。

同じように、ゲンドウのクローンであるカヲルもLCLの中に何体もいたのだろう。

二人ともダミーシステムの為に「仕組まれた」子供なのだから。

そして、そのうちの一体には、レイにリリスの魂が宿ったようにアダムの魂が宿った。

このカヲルは、初代レイの死ぬときに、彼女の目に映ったカヲルであり、彼は、ダミーシステム用であり、量産機に使用された。

第26話のカヲルも彼だろう。

ところが、ゼーレは、シナリオを繰り上げるために、LCLに漂う他のカヲルの体の一つを第17使徒に与えた。

そして、これに自分をアダムの魂だと思わせてネルフに送った。

これが、第弐拾四話のカヲルであり、「自分をアダムの魂が宿ったものだと思い込んでいたこと」こそが、第弐拾四話のカヲルの最大の勘違いだったのではなかろうか。

 では、アダムの魂の宿っているカヲルは、一体どこをうろついていたのだろうか?

いや、そもそも、ダミーシステムとは、試験管の中に入って実験していたレイのように魂の宿っているクローンを使用するのか、それともLCLにいる複数のレイのような魂の宿っていない生命体を使用するのだろうか。

試験管の方は、ダミーシステムの実験と言われ、LCLの方は、ダミーシステム(ゲンドウ「何故ダミーシステムを壊した」)と呼ばれている。

前者の場合、レイのように、アダムの魂の宿っているカヲルが実在しなければならない。

後者の場合、アダムの魂の宿っているカヲルが実在する必要はないが、アダムの魂の所在が不明瞭になる。


 私は、もしかして、二人のカヲルどころか、カヲルもレイと同じように3人いた可能性もあると考えている。

第弐拾参話では、零号機とレイが第16使徒アルミサエルに融合されそうになる。 この事件は、次のタブリスと、もう一人のダミーシステム用チルドレン渚カヲルとの融合をほのめかしているのではないだろうか。

かたや融合失敗、かたや融合成功として対になっている話ではないだろうか。

もしも、第弐拾参話で、零号機とレイが第16使徒アルミサエルに融合されてしまったとしたらどうだろうか。

使徒に侵食されたレイは、第弐拾四話のカヲルと同じような展開をしたのではないだろうか。

だから、アダムの魂の宿るカヲルがタブリスに侵食されたとしても(アダムの魂はカヲルから追い出されて)おかしくはないのである。


●初代レイの絞殺のときに現れる初代カヲル

●第二拾参話でアルミサエルに融合されようとして自爆する二代目レイ

第二十四話でタブリスに融合された二代目カヲルの出現、そして彼も自殺を望んだ

●第26話での波打ち際の渚に立つ三代目レイと三代目カヲル


というように、レイとカヲルの初代、二代、三代は、きれいに並列の関係にある。

もちろん、カヲルがレイと同じように3人いたかどうかはわからないが、少なくとも3種類のカヲルが3代のレイと呼応するように描かれていることは間違いないようだ。

 さらに調べると、


第14使徒ゼルエルのエピソード→01+10=11の説明

第15使徒アラエルのエピソード→01+10=00の説明

第16使徒アルミサエルのエピソード→使徒の二代目レイへの融合失敗

第17使徒タブリスのエピソード→使徒の二代目カヲルへの融合

というように、2話づつの対比したエピソードになっていることがわかる。

ダミーシステム用の初代と三代のカヲルは同一で、カヲルは二人いたのかもしれない。

または、アダムの魂の宿った初代カヲルがずっといて、(アルミサエルとレイの場合のように)初代カヲルにタブリスが融合し、アダムの魂はカヲルから出ていったのかもしれない。

 いずれにしても、タブリスの魂の宿ったカヲルは死んだ。

このときの魂は、アダムではなくタブリス(使徒)であったから、リリスの魂の宿るレイのように復活はできなかった。

使徒は殲滅されたのだ。

しかし、アダムの魂の宿るカヲルは、ダミーシステム用として別に存在していた。

これが、量産機に使用された。



量産機のコアに宿る魂は誰のものであろうか?

エヴァの機体とコアとパイロットとの関係を整理してみよう。

そのエヴァの機体が何の生命体のコピーであっても…

コアの交換は、可能である。

コアとパイロットは、親子関係である。

コアにサルベージされた魂が必要ないのは、パイロットの魂とコピーされたエヴァの肉体が同一人物の場合のみである。(レイと零号機の場合)

ダミーシステムの場合、コアは、そのダミーシステムとの親子関係である必要はない。

ダミーシステムは、コアに宿る魂が、ダミープラグを擬似的にパイロットと判断して行動する。

ダミーシステム用のチルドレンは、綾波レイと渚カヲルであった。

レイのダミーシステムは、初号機(リリスのコピー)に使用された。


もしかして、アダムのコピーである弐号機用のダミーシステムがカヲルであったのか。

リリスの魂の宿るレイがリリスのコピーである零号機に乗る場合、零号機のコアには、魂はいらない。

リリスの魂+リリスの肉体となるからだ。

カヲルが弐号機とシンクロしたときは、カヲルの魂はタブリスであったが、アダムの魂の宿るカヲルが弐号機に乗ると、レイと零号機の場合のようにコアへの魂のサルベージがいらないのかもしれない。

カヲルの弐号機とのシンクロのシーンは、このことをほのめかしているように思える。

しかし、量産機は、形からしても明らかにタブリスのコピーである。アダムではない。

タブリスコピーの機体にカヲルのダミーシステムが使用されているのだ。

何故、これが可能なのだろうか。


量産機のコアに宿る魂の候補として考えられるのは、

<ゲンドウ>

カヲルがゲンドウのクローンだとすると、コアにゲンドウの魂が宿る機体は、初号機とレイとユイの関係と同じになる。

しかし、これはおかしい。

コアには、死んだ人間の魂がサルベージされていなければならないが、ゲンドウは生きているからだ。

それに、量産機は、9機だが、同一人物の魂を複数のコアに宿らすことができるのかという疑問もある。


<タブリス(すなわち、第弐拾四話のカヲル)>

タブリスの魂は、第弐拾四話でも滅びず、または滅びたがサルベージされて量産機のコアに宿らされたと考えた場合、これもおかしい。

まず、タブリスの魂+タブリスの肉体のコピーとなるので、タブリス本人になってしまう。

ダミーシステムそのものがいらないかもしれないのだ。

また、これも、タブリスは単体であるので、同一人物の魂を複数のコアに宿らすことができるのかという疑問がある。

さらに、タブリスコピーの機体にカヲルのダミーシステムが使用されているので、ダミーシステムも二代目のタブリスが融合したカヲルから作られたものでなければならない。

ただし、二代目カヲル(=タブリス)のダミーシステムを使用するのであれば、量産機はタブリスの肉体のコピーであるのでコアに魂を宿らせる必要は無くなる。(レイと零号機の場合と同じ)

しかし、これもタブリス本人になってしまう。


<ゼーレ>

エヴァ参号機から拾参号機までは、11機。

いずれも、コアに宿る魂の不明瞭な機体である。

そして、ゼーレもまた11人(初号機に残ったユイと裏切り者のゲンドウを除く)である。

ゼーレは、機械のような人間であったが、本来の人間達は、途中(たぶん、ゼーレがモノリスになった頃)から、ユイのように自ら死んでコアに入っており、後は自分達のアンドロイドに任せていたとすると、量産機のコアがゼーレという案も考えられる。

エヴァ複数機への魂のサルベージは、これだとつじつまがあう。

ゼーレ「少々数が足りぬが」という台詞も生きてくる。

そして、コアには魂が宿るが、「ゼーレ」とは、「魂」の意である。

依代として生命の木に還元させられた初号機は、まさに赤い神経のようでもあった。

これの周りを量産機が旋回していた。

量産機(=魂)たちが、依代となる神経を回っているようにも見える。

しかし、これもやはり、タブリスコピーの機体にカヲルのダミーシステムが使用されている理由は解けない。


<アダム(すなわち、本来のカヲル)>

ダミープラグが初代もしくは三代目のカヲルから作られたもので、量産機に宿る魂はアダムの魂だとするとどうだろう。

これは、本来のカヲルはダミーシステム用であり、アダムの魂の宿ったものであったので、コアにアダムの魂が存在していてもシンクロできる。

また、リリスの魂がガフの部屋が開くと同時にたくさん出て来たように、同じ生命体の源であるアダムの魂も複数存在すると考えてもおかしくはない。

また、量産機は、生命の実(S2機関)を持つが、アスカにコアを破られても復活する。

同じ生命の実(S2機関)を持つ使徒でさえ、コアを破られれば死んでいるのに、である。

量産機は、自らロンギヌスの槍のコピーをコアに突き刺して初めて死ぬのである。

このコアを破られても死なないという事実こそが、量産機に宿る魂が、他の使徒とは違う生命体の源であるアダムである証拠ではないだろうか。

量産機に宿る魂がアダムであれば、機体がタブリスのコピーであっても問題ないように思える。

何故なら、タブリス(子)の体にアダム(親)の魂が宿る訳だから。

ちなみに、レイのダミープラグをリリスコピーのエヴァに使用することは、親の魂と肉体の合一になる。


初代レイが死ぬときに、瞳にカヲルの顔が映る。

レイ(リリス)がカヲル(アダム)を望んだから。

そして、

アダムの魂の宿る量産機は、アダムのコピーである(いわゆるエヴァ)を撃ち破る(アダムのエヴァとの決別)。

※量産機と弐号機の戦いは、「エヴァ対エヴァ」の戦いではなく、「アダム対エヴァ」の戦いであり、「アダムの魂対アダムの肉体」の戦いという、隠された構図が浮かび上がってくる。

そして、最終話では、量産機はリリスと融合(つまりアダムとリリスの融合)とカヲルの出現がある。

かって、人類によってエデンより盗まれた知恵の実の本体であるロンギヌスの槍は、再び生命の木へと返還された。

これらの一連のストーリー進行は、聖書、及び聖書外典の逆進行(リバース)になっている。

最後のシーンは、水面に立つカヲル(アダム)とレイ(リリス)が新世紀のアダム(シンジ)とリリス(アスカ)を見送って世代交代がなされる。



ここで、各生命体をまとめてみよう。


●リリス → 肉体はターミナルドグマ(大地の子宮)にある

●レイ → リリスの魂+ユイの肉体のコピー

●零号機 → リリスの肉体のコピー

●初号機 → ユイの魂+リリスの肉体のコピー

●弐号機 → キョウコの魂+アダムの肉体のコピー

●アダム → 肉体はレイの子宮にある

●カヲル(初代、三代) → タブリスの魂+ゲンドウの肉体のコピー

●カヲル(二代) → アダムの魂+ゲンドウの肉体のコピー

●量産機 → アダムの魂+タブリスの肉体のコピー


リリスの肉体は、自らの卵である大地の子宮にあり、

アダムの肉体は、リリスの魂の宿る生命体の子宮にある。


これを表にしたものが以下の図である。

もっと、ややこしいのかと思っていたが、意外にも非常に整然としたものになっていて驚いた。



この論理をここまで導いてくださったカミーユ氏に再度、感謝の意を表したい。



ここにアダムは存在する

●レイと零号機→レイの子宮にアダムの肉体のオリジナル

●シンジと初号機→シンジは未来のアダム

●アスカと弐号機→弐号機はアダムの肉体のコピー

●カヲルと量産機→量産機のコアにアダムの魂が宿る

これを表にしたのが、以下の図である。





新世紀の「アダムとエヴァ」か「アダムとリリス」か?

プラグスーツの色から見ると、

シンジ=青

アスカ=赤

となり、これは、アダムとエヴァになる。

しかし、

機体の元になった生命体から見ると、

シンジ=初号機=リリス

アスカ=弐号機=アダム

となり、これは、アダムとリリスになる。



 アスカは、新世紀のエヴァであった。

レイに嫉妬するアスカ。

JENESIS22は、アスカがサードチルドレンに付いての話を聞くシーンからはじまり。

レイへの嫉妬

そして最後はレイに助けられてシンジに慰められるシーンで終わる。(第25話の冒頭ではアスカはシンジに慰みものにされるが)

レイ=リリス

シンジ=アダム

アスカ=エヴァ

という三角関係の隠喩があるのだ。

 最初シンジ(アダム)は、レイ(リリス)と親しくなるが、そこへアスカ(エヴァ)が登場する。

シンジ(アダム)は何度かアスカ(エヴァ)を助ける。

ここまでは、聖書外典と同じ流れになっている。

しかし、初号機の覚醒後は、初号機(リリス)は弐号機(エヴァ)を助けない。

それどころか第弐拾四話になると初号機(リリス)と弐号機(エヴァ)の闘いが描かれ、第25話では量産機(アダムの魂)と弐号機(エヴァ)の闘いへとエスカレートしていく。

さらに、REBIRTH編(逆転編)になると、聖書外典の逆の流れになり、シンジ(アダム)はアスカ(エヴァ)を慰みものにし、弐号機(=エヴァ)は殲滅させられ、シンジはLCLの中でレイ(リリス)と婚う。

その後、再びシンジ(アダム)はアスカ(エヴァ)を求める。

シンジが望んだ他人とはアスカであった。

「他人の存在を今一度望めば、再び、心の壁が、全ての人々を引き離すわ」

「また、他人の恐怖が始まるのよ」



ゲンドウとカヲルの顔は似ていないが…

カヲルがゲンドウのクローンであるならば、当然顔が似ていないとおかしい。

※本当は、クローンは、遺伝子配列が全く同じなので、似ているどころか同じ顔にならなければいけない。

実は、このクローンなのに似ていない点は、カヲル=赤城ナオコクローン説の立場をとっていたときから引っかかっており、二人の目もとや眉の形状を見比べてみた。

その結果、

「似ていると言えば似てるし、似てないと言えば似てない。」

ということがわかった。

さらに言えば、「誰とでも似ている」とも言える。

何せ、同じ作家がキャラクターを起しているのだから当然と言えば当然なのだが…

似ているのはユイとレイのみである。

しかし、これとても髪の形が似ていることが大きい。

ゲンドウとシンジは、明らかに親子であるが、似ているのは髪の毛だけである。

シンジとユイでさえ似ているような似てないような…

LCLに浸るレイは、学校に通うレイと全く同じ顔でなければおかしいはずであるが、これも少し違うイメージがある。

…と、いうことで、

これについて深く突き詰めてもあまり意味があるとは思えないので、この辺にしときます。



第1使徒と第17使徒の交錯(初めと終わりは同じ)

 わかりづらいようなので、マップをつくりました。

基本的に、エヴァの世界においては、

コピーしたものには、魂は宿らない。

使徒は魂の無いものには融合できる。

という重要な二つの定理があり、これを組み合わせると以下のようになる。



 アダム=雌であり、カヲルには、本来はアダムの魂が宿っていたのだと考えると、カヲルが女性的であるのも説明がつく。

しかし、第弐拾四話の時点でのカヲルの魂はタブリスであった。

タブリスもまた女性である。

なぜなら、量産機と石像は酷似しているが、一点だけ違う部所がある。

それは、石像には乳房があり、女神像を表しているのだ。

 さて、カヲル=アダム=卵子を自らの手で潰したシンジはその後、その手で自慰をしている。

これは、目標(卵子)を失った精子を意味し、使徒=精子を全て殲滅したことも意味している。

 さて、一つの可能性が卵子と融合するときに、他の可能性は全滅する。

つまり、滅びのときを迎える。すなわち、インパクトの発生である。




 

 

 

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